ドイツのご婦人に「ベルテン祭ってなあに?」と聞かれたので「スコティッシュの伝統的な…」と言ったらイギリス人に「ノー!ケルティック!」とたしなめられた。そんなに目クジラ立てるなよハゲと思ったがイングランド出身の彼には問題なのだろう。後で別のイギリス人にどう違うのか聞いたら「ネットで調べた方がいい」と言われた。
とにかく五月一日の火祭りで、焚き火の上を飛び越えると縁起がいいらしい。焚き火ボンファイアはここではよくあるイベント、飲んでしゃべって歌って時にぼんやり火を見つめて、楽しいひと時。今回もそのイメージで臨んだ。ビール持参、場所はザ・パーク、バスで往復。
着いたら何やらムードが違う。飲み食いどころか「厳粛な儀式なのでカメラはご遠慮ください」と言われ、写真のアーチが限界だった。ここをくぐるあたりまでは皆ワーイという雰囲気だったが、やがて凝った扮装の皆さんに導かれ、手をつないで一列になり古典的な行進。広場で石のモニュメントをはさんで、高く積まれた枝がふた山。厳かな女性の語り口で儀式は進み、原始的な歌を歌い、伝説のグリーンマンとレディが登場。ちなみにレヴさんとアシスタントさんだった。石に液体をかけるなど英語がよくわからなかったのでアレだが物語があるらしい。寸劇が終わると着火。勢いよく燃える二つの焚き火を見ながらビール飲みたいと思った。一人ずつ、火と火の間を歩く。人数が多いので時間がかかる。東西南北に向かって詩を詠みホウイング、皆で「ホウ!」と叫ぶ。方角それぞれに水、風、大地、火のエレメントがあるのは興味深い。やがて女性が朗読を始めたがそろそろ帰りのバスの時間が気になって集中できず。しかも異様に長い。ようやく終わった頃「バスが出るぞ!」と言われバス組は猛ダッシュ。まだ火を飛び越していませんけど。空腹だし。尻切れとんぼ感を抱いたままバスで帰る。やはりその後に火を飛び越したそうだ。
ルームメイトは別の場所のベルテンに行ったらしい。聞けばそちらは飲めや歌えのいつもの楽しい焚き火で、皆でキャーキャー言いながら火を飛び越して、じゃあねーって終わったそうだ。