7月の最終週、四週間のエサレンマッサージ講習が終わるや否や、とにかくクルーニーから逃げ出したくてザ・パークに引っ越したのは前述の通りです。
ところがパークに滞在したのは結局三週間。8月半ばに再びクルーニーに戻りました…。
小さな理由は、ルームシェアとハウスシェアの違い。
クルーニーはもともとホテルだから各階にトイレ&バスルームがいくつかあって、どこか必ず使える。でもパークで今回、一軒に5人で住んでいたのにバスルームは1つ。神経使うし出るものも出ません。共同キッチンがあるから勝手に料理できる自由さはありますが、外人がシンクに食器を山積みにしたままなのを見るとイラっとします。広い居間は掃除も大変。ゴミ捨てとか食料調達とか、クルーニーにはない協力が必要になります。それがバランス取れれば家族みたいになれるんでしょうけど。毎日ボーイフレンドを連れ込んで居間でイチャイチャするアメリカ人の前でどっかり座ってネットする根性はありませんでした。
そして大きな理由がありまして。
日本人女性と一緒の二人部屋だったのですが、この人とは職場も同じだったのです。つまり24時間一緒なことも稀ではありませんでした。もちろんわかっていたことだし元から友達だし何とかなるだろう、とにかく四週間の嫌な記憶から逃げ出すことが最優先事項だ。これが見積もり甘男でした。
考えてみればこれって家族でも無理です。まるで自営業の夫婦のような生活。
英語でライク・ア・セルフ・エンプロイード・カッポーと言うと外人にウケます。日増しに彼女の言動がハナにつくようになり、なぜこの人はこんなことをするのか、なぜ言ってもやめてくれないのか、なぜあんな言い方をするのか。極端な時は口を聞くのが嫌で9時台に寝たりして。まるで彼女の欠点だけを拡大鏡で見ているようだ、知ってるはずの長所は見えていないと気がついた時、クルーニーに戻ろうと思いました。もちろんいまだに受け入れられない部分はあるのですが、既に世話になってるし日本に帰ってからも連絡取りたいと思うと、この選択しかありませんでした。
このことをグループの時間で正直に話したら彼女も同じだったと言ってくれて、引越しを手伝ったりスーツケースを貸してくれたりしました。出戻った後は以前のような感じになって、今日こんなことがあったとかすぐ話すしグチを言ったり自慢を聞いてあげたりしています。
これは私の人生で初めてなことです。一度はこのヤローと思った相手と直接対決なしでバランスとっておしゃべりを楽しんでいる。自分の拡大鏡に気がついたことはすごいことです私には。なのでここに書きました。
写真はクルーニーの今の部屋です。