先生ではなくフォーカライザー「焦点をあてる人」。私らの英語のクラスは生徒4人にフォーカライザー3人。そのうちベラは遠足や芸術担当なので、英語の先生は残る二人、よく言えば贅沢。ちなみに次の期は既に15人だか申し込みがあるそうです。しかし少なければいいってもんじゃない。
当初ポルトガル人はほとんど英語ができず。最初の授業で「ノートにアルファベットを書いて、aで始まる食べ物から挙げてみましょう」と言われたとき彼女に「Lの次って何?」と真顔で聞かれて倒れそうになりました。既にこの問題の時点で食べ物ですかって脱力していたので。
チリの人も同様で、sellとかpullとか基本的な単語がわからず挙手して聞くわけです。先生も「買うの反対で…」と説明し、その間ジャパニーズ2人は待たなければならない。驚いた事に先生方は4人いっぺんに教えようとしているらしく我々には大変なストレスでした。
毎週木曜にはシェアリング(共有)と言って互いの意見を黙って聞く時間があるのですが、初回に向け早速辞書を駆使して半日かけて「こんなのは私が期待していたやり方じゃない」から始まる文章を作って、読み上げました。結びはもちろん「クラスを二つに分けてほしい」です。多少は効果があったらしく、後から「授業の予定が全部変わった」と聞かされました。翌日から授業時間の半分は2人ずつに別れて行われましたが歌やダンスやゲームはいらないから100%分けてほしい。でもここはフィンドホーンですからラヴ&ピースの根性を植え付ける必要性が彼らにはあるのでしょう。仕方ないです。
結果的に4週間後の私は来た時よりも明らかに英語がしゃべれないし聞き取れない状況になっているのですが、あとから思えば毎日いきあたりばったり感の連続でした。紙を切ったり貼ったりするのはがんばっていらしたんですけど、ここで英語を教えるのは初めてだと連呼する先生が我々ジャパニーズの担当でした。授業はティータイムを除けば3時間だけ。確かに2つに分かれて対面で自分の文法や発音をきっちり直してくれたのは上手でしたから大変ありがたく充実した時間でした。でも短かすぎ。すぐ4人一緒〜になっちゃって、簡単な英語のあと急にフィンドホーンの思想や歴史にまつわる難しい長文、エコなニュース記事を読ませたり、内容がちぐはぐすぎ。しかも辞書を使って調べましょうったって机がないんですよ机が!椅子だけなんです。先生が必要と思う時に大きな板を渡されて、その上でノートと資料を押さえながら辞書を使うのです。その次はポエム。ふだん造語を連発したり韻を踏んでる外人なんかいねえよ。にちじょうかいわをおしえてくれよ。時々気持ちが悪くなるくらいストレスフルな4週間でした。
しかし繰り返しますがここはフィンドホーンで、単に英会話だけならロンドンの高いスクールに行くほうがベターでしょう。二兎を追うものになる可能性はありますけれども自分で選んでここに来て、スピリチュアル的にプラクティスしたい。英語はその為の手段で、焦って自習で問題集で勉強したことさえ逆効果だったかも。
とにかくパンフレットにある「この英語コースは初心者向けではありません」の一行だけは何が何でも削除してもらう。